IC-726はCWフィルターが1個しか装着出来ません。
それも9MHz台ですから、良好なスカート特性など、とてもとても。
このあたりは、当初から455kHz段にもフィルターを装備できた、競合
機であるTS-690に軍配が上がります。
IC-726の後継機種IC-729では455kHz段のIFを追加し、ここにSSB用の
セラ・フィルを追加することでPBTを実現しましたが、CWフィルター
は考慮されませんでしたので、やはりTS-690に軍配が上がりました。
このような普及機は混信除去機能が少なく、フィルターも数多く装着
できませんので、9MHz段よりは455kHz段のIFに一発入れるべきです。
確かに、8〜9MHz台のフィルターの方が安価で小型ですが、無線機全
体で考えると、実用性に乏しい機器になってしまいます。
以前、TS-570を使用した事がありますが、全般的に基本性能の高い無
線機でしたが、スカート特性の良好な455kHz段のフィルターが装着不
可能でしたので、長く使用する事はありませんでした。
まぁ、今回のIC-726は「中野」にコロがっていた中古のブツですので、
設計上の細かい事は言わずに、手を入れて「実用性」を高める事にし
ましょう。
さて....
CWフィルター選択度については、500Hz巾が一般的かと思います。
14MHz以上のハイバンドなら、これで十分ですし、間違って250Hz巾の
フィルターでコンテストに参加しようものなら、悲惨な目に遭います。
しかし、7MHz以下に下がると500Hzでは使い物になりません。
「並のパワー」でランニングしている局同士が、お互いにスキップし
ていて聞こえないため「近接周波数」で運用している場合があります
が、こういう場合などは250Hz巾の出番です。
しかし、移動運用先でプラグイン式のフィルターを交換するのは面倒
なので、250/500Hz巾を両方とも実装する事にしました。
☆ケース内の隙間に増設した250Hz巾フィルター。
250Hzフィルターとダイオード・スイッチの部品を、ユニバーサル基
板に盛り付け、ケースの隙間に取り付けます。
さらにフィルター切替回路を改造し、IC-726のモード切替スイッチが
「CW」では「500Hz(FL-100)」、「CW-N」では「250Hz(FL-101)」が挿
入されるようにしてあります。
さて、効果はどんなものでしょうか。
たまたま、KCJコンテストが行われていますので、7MHzを聞いてみまし
ょう。
☆7020.00kHzでS9の信号を受信する。(MODEはCW、500Hz巾)
☆そのまま300Hz離調しても、S9。
☆フィルターを切替える。(MODEはCW-N、250Hz巾)
S9の信号を300Hz離調して受信した際、500Hz巾のFL-100を使用してい
る場合の信号強度は「そのまま」ですが、250Hz巾のFL-101に切替え
ると、S3まで減衰しているのが、写真のメーター指示値で読み取れる
でしょう。
(C)2001-2003 Hisa. All rights reserved.