☆受信性能の対策(その3)


  IC-726はCWフィルターが1個しか装着出来ません。

  それも9MHz台ですから、良好なスカート特性など、とてもとても。

  このあたりは、当初から455kHz段にもフィルターを装備できた、競合

  機であるTS-690に軍配が上がります。

  IC-726の後継機種IC-729では455kHz段のIFを追加し、ここにSSB用の

  セラ・フィルを追加することでPBTを実現しましたが、CWフィルター

  は考慮されませんでしたので、やはりTS-690に軍配が上がりました。

  

  このような普及機は混信除去機能が少なく、フィルターも数多く装着

  できませんので、9MHz段よりは455kHz段のIFに一発入れるべきです。

  確かに、8〜9MHz台のフィルターの方が安価で小型ですが、無線機全

  体で考えると、実用性に乏しい機器になってしまいます。

  以前、TS-570を使用した事がありますが、全般的に基本性能の高い無

  線機でしたが、スカート特性の良好な455kHz段のフィルターが装着不

  可能でしたので、長く使用する事はありませんでした。

  

  まぁ、今回のIC-726は「中野」にコロがっていた中古のブツですので、

  設計上の細かい事は言わずに、手を入れて「実用性」を高める事にし

  ましょう。

  

  さて....

  CWフィルター選択度については、500Hz巾が一般的かと思います。

  14MHz以上のハイバンドなら、これで十分ですし、間違って250Hz巾の

  フィルターでコンテストに参加しようものなら、悲惨な目に遭います。

  しかし、7MHz以下に下がると500Hzでは使い物になりません。

  「並のパワー」でランニングしている局同士が、お互いにスキップし

  ていて聞こえないため「近接周波数」で運用している場合があります

  が、こういう場合などは250Hz巾の出番です。

  

  しかし、移動運用先でプラグイン式のフィルターを交換するのは面倒

  なので、250/500Hz巾を両方とも実装する事にしました。

    

  ☆ケース内の隙間に増設した250Hz巾フィルター。

  

  

  250Hzフィルターとダイオード・スイッチの部品を、ユニバーサル基

  板に盛り付け、ケースの隙間に取り付けます。

  さらにフィルター切替回路を改造し、IC-726のモード切替スイッチが

  「CW」では「500Hz(FL-100)」、「CW-N」では「250Hz(FL-101)」が挿

  入されるようにしてあります。

  

  さて、効果はどんなものでしょうか。

  たまたま、KCJコンテストが行われていますので、7MHzを聞いてみまし

  ょう。

  

  ☆7020.00kHzでS9の信号を受信する。(MODEはCW、500Hz巾)

  

  

  ☆そのまま300Hz離調しても、S9。

  

  

  ☆フィルターを切替える。(MODEはCW-N、250Hz巾)

  

  

  S9の信号を300Hz離調して受信した際、500Hz巾のFL-100を使用してい

  る場合の信号強度は「そのまま」ですが、250Hz巾のFL-101に切替え

  ると、S3まで減衰しているのが、写真のメーター指示値で読み取れる

  でしょう。

  

  ☆純正フィルターの実装と問題点

      

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