狭い自宅の敷地にローバンドの満足なアンテナを張るのが難しい場合、他
バンドのアンテナを受信用に流用する事がありますね。
当局の場合はフルサイズの逆Vを使用していますが、受信は7MHzのロータ
リー・ダイポールを使用した方が良い場合が少なくありません。
しかし、共振していないアンテナですと能率が悪くなり信号強度が弱くな
りますので、ある程度は補ってやらなければなりません。
そこでプリ・アンプの投入となりますが、既製品を探しても「BCL用に毛
が生えた程度」のものしかありませんね。
また、kWの送信アンテナの近くに位置する受信用アンテナに接続しますの
で、保護機能も必要でしょう。
そんな要求を満たす製品が見つかりませんので、仕方が無く、久しぶりに
FCZキットの定数を変更し、目的の周波数帯に合ったプリ・アンプを作る
ことになりました。
☆プリ・アンプ製作中。
2003年頃にIC-726を入手して、主に移動運用で使用したことがありました。
いろいろな「機能面での不足」を「改造や外部機器の追加」で凌いだ経
過は、このサイトでも公開していますが、FCZのプリアンプ製作は、それ
以来のことになります。
7年前と同じ細かな部品の半田付けは、視力低下と老眼の進行を思い知ら
れされる結果となりましたが、そこは経験でカバーします。
人間は歳を取ると老化しますが、若い頃に経験を積んで頑張っておけば、
「老い」を「経験の蓄積」でカバーできるという事が実感できますね。
「若い頃の苦労は、お金を出しても....」などと言われますが、その言葉
が身にしみてヨクわかる今日この頃であります。
余談ですが、IC-726やIC-729が販売されていた頃に私が何を使っていたか
と言うとTS-690でありました。
当時は、機能・完成度・性能・質感のどれを取っても、トリオのTS-690の
方が優れていたように記憶していますから、当然でありましょう。
しかし、昨今の両メーカーの状況を見るに、平家物語の一節にある「栄枯
盛衰」を思い出さずにはいられませんね。
現代の「源氏電機製作所」からはIC-7000なんて素晴らしい無線機が発売
されていますが、アンテナ・チューナーが内蔵されていませんので「梅干
を入れても穴が明かないフジマルの弁当箱」程度の大きさの外部チュー
ナーを用意しなければなりません。
一方、「平家ウッド」からは、いよいよTS-590が発売されたようですが、
こちらは、お得意の「オール・イン・ワン」のようであります。
無線機のメーカーを混在させるとイロイロと面倒が起きるのですが、そん
な魅力的な590を、ぜひ使ってみたいと思います。
☆土曜日一日の作業で完成しました。
「四半期毎の重い仕事」が無事に終わった金曜日、帰宅途中に日本橋に立
ち寄り、デジットで部品を集めました。
デジットの若い店員が「フェライト・ビーズがトヨムラの袋に入って売ら
れていた時代」を知らない事を知り、ショックを受けましたが。(笑)
小一時間で買い集めた部品で、金曜の夜から開始して土曜日の夕方までに
プリ・アンプ4台を作成します。
これらは殆ど同じ内部構成ですので、1台作るのも2台作るのも手間は同じ
だろう....と考え、勢いで4台も作ってしまいました。(笑)
自作の場合は、部品の配置や配線の引き回しを検討する時間が意外と長い
ものですから、まとめて数台製作したほうが作業効率改善のメリットが大
きく効率的なようですね。
☆1kWのリニアと使うために。
IC-726と併用する際は何も考慮せずに作りましたが、今回は1kWのリニア
が稼動する環境で使用しますので、ちょいとした工夫をしています。
ダイオードによる入出力の保護はもちろんのことですが、リレーを使用し
て、送信アンテナの至近距離で自局の電波を受ける受信専用アンテナを切
り離せるようにしたり、プリ・アンプ自体の動作を停止させたりと、最小
の部品で最大の保護効果を狙ってみました。
☆たかがプリ・アンプ、されどぷり・アンプ。
一つのケースにまとめる事も考えましたが、はたして来年の今頃、これら
のバンドに出ているかどうか解りません。
他のバンドのプリ・アンプなどに流用できるように「独立型」として作成
しました。
とは言うものの、昔の無線機と違い最新型の無線機器を使用する限りは、
ハイ・バンドでプリ・アンプの出番は無いものと思われます。
ま、そのうちにロー・バンドのプリ・セレのケースになるのがオチではな
いでしょうかね。
☆以前に作ったプリ・セレと併用して試用。
以前に作成したプリ・セレと併用し、試用してみました。
kWで送信するアンテナに隣接する受信用アンテナに接続したプリ・アンプ
ですが、壊れることはありません。
十分なアイソレーションが取れているようです。
では、目的の「増幅」の具合はどうでしょうか。
トランシーバー内蔵のプリ・アンプと併用すると、能率の悪い受信用のア
ンテナを使用しても、ほぼ共振したアンテナと同様の信号強度が得られま
した。
果たして、「はるか彼方」から到来する微弱な信号をキャッチできるかど
うかは解りませんが、当面の「補助用道具」としては使えそうです。
つまりは、我が家の「補聴器」として多少は活躍しそうであります。
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