中古で手に入れて使用していた東京ハイパワーのHC-500A。
元々、外観....つまり「見てくれ」はイマイチなブツでしたが、中味がシ
ッカリしていたので、半屋外用にでも使おうか....と思い手に入れたもの
です。
ところが、500WクラスのFETリニアを使用するとき、バリLのカプラーに比
べ本製品はバンド間のQSYが容易なので屋内での用途が主流となりました。
そこで問題になるのは外観の酷さ、その主な要因は筐体のサビです。
☆こんなレイアウトだと。
リニアアンプにサビの「ふりかけ」を掛けているようなことになります。
世間を騒がす「のりピー」ならぬ「のりたま」をご飯に振り掛けているよ
うに、サビが落ちていきます。
これじゃ、ダメですねぇ。
そこで、コンテストの途中ではありますが、「下手の横好き」でサビ落し
と「にわか塗装屋」を開業することになりました。
☆分解@。
上蓋を外すのは簡単です。
これぐらいのタイト製のコイルとバリコンを使っていたら、500Wぐらいな
らば安心できますね。
注意を払って使用すれば、1kWでも大丈夫です。
☆分解A。
次に下蓋を外します。
コイルやバリコンが下蓋に固定されていますので、慎重に分解します。
これで部品は「宙ぶらりん」の状態になりました。
各部を留めているネジもサビが酷いので、全て交換する事にしましょう。
☆夕方のサビ落し、日が暮れてからの塗装。
「思い付き」が遅かったので、サビ落しをしていたら日が暮れてしまいま
した。
塗装のウデは「素人」ですから、もともと「仕上がり具合」は期待できま
せんが、これなら「日が暮れてからの作業だから....」と言い訳ができそ
うです。Hi
☆塗装完了。
塗装は難しいですね。
「塗り作業」自体は、おっかなビックリ....で慎重にやれば致命的な失敗
をすることはありません。
しかし、塗料が乾燥してから、どんな色になるのか....、は経験が無いの
で「乾いてみなければ解りません」Hi。
最初は「ちょいモスグリーン系」を塗装したのですがイマイチなので、ラ
イトグレーに変更しました。
所謂「ヒース・キット色」じゃなく「コリンズやドレーク」みたいな色の
トーンに仕上げました。
途中で色を変更しましたが、結果的には「重ね塗り」の回数が増えました。
それで防錆効果や仕上がり状態が良くなったんじゃ無いかと、自己満足し
ています。Hi
☆組立@。
塗装したケースに収めるためには、手の届かない場所のナットを締めなけ
ればなりませんので、一時的には「さらなる分解」を実施しました。
☆組立A。
まず、中性洗剤に浸して洗ったフロント・パネルを取り付けます。
クローム・メッキのネジ類も、全て新しいものと交換します。
☆組立B。
続いて、ケース(底面)を取り付けました。
これで、バリコンやコイル類は、落ち着きが良くなります。
☆組立C。
底面のゴム足も、経年劣化がありましたので、取り替えました。
☆組立D。
リア・パネルやツマミを取り付けると、ほぼ完成です。
若い頃に、こんなカプラーとFL-2000Zなどを併用してガシガシやっていれ
ば、何とかセンチュリー・クラブのNo.1盾を貰えたんでしょうかねぇ。
レストアが趣味の方の気持ちも、少しは解るというものです。
☆落成検査@。
HL-500シリーズは、3.5〜28MHz帯で1kW程度の耐入力があります。
IC-PW1ではなく、もっぱらHL1k-FXと併用しますので、使用状況に即した
500W程度の耐入力検査を実施してみました。
FSKの連続送信でもアークが飛んだりしませんので、上手く組み立てられ
たようですね。
☆落成検査A。
とりあえず、錆の問題は解消しました。
リニア・アンプに「錆のふりかけ」を掛けるような状態は解決したようで
あります。
しかし、このバリコンやコイルの光沢をみてください。
これが、外観は「ジャンク」のような状態だったのですよ。
外観から内面を見極めるのは、本当に難しいことなんですよね。
☆完成品。
下手糞なリペアでしたが、「不燃ゴミ」のような外観からはズイブン改善
されました。
これぐらい綺麗になれば、紀伊半島の某所に計画中の「セカンド・シャッ
ク」の備品リストに昇格するでしょう。
そのうち仕事をリタイアしたら、何処か南の方に移住して、自宅に引いた
温泉にでも浸かりながら、日がな「電話級でkWがザラ」な「老人ラグチュ
ー・クラブ」にでも参加しましょうか。Hi
その時まで、厚生年金と企業年金があったら....の話ですが。
さて、残念ながらHC-500系は、仕様上1.8/1.9MHz帯は300W程度でパンクし
ます。
3.5MHz帯以上ですと1kWでも平気なのですが、残念ですね。
数年前に整備したHL-500と共に、このHL-500Aも、今年の夏に逝去された
麗子さんの名セリフのように「長〜く愛して」あげることにしましょうか。
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