☆CI-Vについて考える


    

  Icomの無線機をPCでコントロールする場合、CI-Vという規格のインター

  フェースが必要です。

  純正品にはCT-17がありますが、圧倒的多数の人々は、こういう「簡易

  型」のインターフェースを使っているんじゃ無いでしょうか。

    

  ☆よく見かける「簡易型」CI-Vアダプター、でもIcomの純正品

  

  この、サードパーティー製品っぽく見えるインターフェース、実は純正

  品です。IC-746用のPCコントロールセット「RS-746」のハード部分です。

   →z-LogやMMTTYL、Hamlogなどでも問題なく作動します。

  

  巷には、CI-V対応と謳ったソフトウェアが山ほどがありますが、このよ

  うな電源不要のインターフェースでは正常に働かないプログラムもある

  ようです。

    

  ☆最近の主流はUSB接続です

  

  最近のPCは、シリアルポートが無くなりつつあります。

  ASUSのマザーボードでは1つ、各社のノートPCではゼロなのが普通です。

  てなことで、携帯電話のアダプターを改造してUSB接続のCI-Vを使用し

  ている例も少なく無いでしょう。

  写真は、通称「東大のインターフェース」です。受験生にあげたら歓ば

  れそうな名前ですが、東大のアマ無線クラブがハムフェアで頒布してい

  たアダプターでありまして、決して最高学府への護符ではありません。

   →東大のz-Logは勿論、MMTTYやHamlogでも問題なく作動。

  

  東大のインターフェースは、PCからシリアルポートが無くなりつつある

  世の中の流れを汲んだ、考え方として正しい機器だと思います。

  ご覧のようにコンパクトで便利なんですが、RFの廻り込みに弱く、特定

  のバンドではインターフェースから放射されるノイズでノイズフロアが

  持ち上がります。

  このように完成度で劣りますので、手放してしまいました。

  

  ☆MAX232を使ったインターフェース

  

  私は、固定局では、こういうタイプのものを作って使用しています。

  

  

  MAX232などで構成されていますが、ミソは2ポートにしてあること。

  (MAX232は、レベルコンバート機能が2回路入っている)

  1台のトランシーバを、2つのロギングソフトで同時使用できます。

  原典は月刊59誌の記事ですが、フォトカプラでアイソレートしてみまし

  た。もちろん、気になる放射ノイズなどはありません。

   →ある特定のソフト以外は問題なく作動。

  

  ☆移動運用向けに小型のタイプも作ってみる

  

  タカチの小型ケースに収めてみました。

  

  

  裏面です。電源端子がありません。

  

  

  そして、中味です。

  

  デュアルポートのアダプターは外部のDC12Vを必要としますが、このア

  ダプターはRS-232のRTS信号を流用し外部電源の供給を不要としました。

  RTS信号を、そのままMAX232の電源として供給しても大丈夫でしたが、

  念のために三端子で5Vに降圧してあります。

  

  普通のソフトウェアを使う限り、電源をRTSから取っても全く問題があ

  りません。

  

  ☆シリアルポートの増設

  

  これは、以前に購入し永らく使用していたPCIバスの2シリアルボードで

  す。(今は無きJustyブランドのJIF02-GTR)

  難は、RTS制御がEXTFSK.dllに依存することです。

  さらにシリアルポートを追加したくなり、新たに廉価版のシリアルボー

  ドを購入(AREAのSD-PCI9835-2S)。PCの空きPCIスロットに装着してドラ

  イバをインストールしてみましたが、各種ボードのドライバをインスト

  ールする順序の要求が厳しく、また、RTS制御が利かないので私の目的

  には合致しませんでした。

  

  そこで、各社のシリアルボードを調べてみると、RATOCやI/O-DATAの製

  品は、仕様として複数枚数の併用を保障している事がわかりました。

  しかし、どちらの製品もソレなりにオネダンが張ります。

  

  先日、たまたま日本橋の「関西資本の虎の店」でI/O-DATAの製品が放出

  されているのを発見しましたので、4枚も買い込みました。

    

  ☆高価なものは値打ちがある

    

  「腐っても鯛」とか「中古でもメルセデス」と言われるのかどうか知り

  ませんが、この素性のはっきりしたPCIバスのシリアルボードは、複数

  枚でも非常に簡単に増設することが出来ました。

  私の「古い、非力だ」と言われたPCも、なんと6シリアルポートになり

  ました。

  

  ボードを交換しシリアルポートが増えてから重要なことが起こりました。

  私の環境では、RTCLがVer4になって以降、CI-V経由の周波数・モード取

  り込みが正常に働かなくなっていました。

  しかし、この新しいボードのシリアルポートを経由してCI-Vで接続する

  と、あっさりと完璧に動作したのです。

  (もちろん、入れ替えの前後で他のソフトは変化なし)

  

  どうも、RTCLはシリアルポートのハードかドライバと相性問題がありそ

  うですね。

     

  ちなみに、ASUSのマザー上のシリアルポートは相変わらずもダメです。

    

  ☆そこまで原因が解ると、応用が効く

  

  最近のノートPCはシリアルポートが無いので、写真のようなUSB/Serial

  コンバーターが重宝されます。

  私もArvelの製品を購入し、ノートPCでロギングする際はEXTFSK.dllを

  使用して快適にFSKキーイングやPTT制御をしていました。

  しかし、このコンバーターで作るシリアルポートにつないだCI-Vアダプ

  ターでは、やはり、RTCLだけ動作が不安定です。

  

  また、このようなコンバーターは一般的にスケルトン構造になっており、

  アマチュア無線家には大敵の「ノイズ放射」の問題があります。

  

  ☆ついに、見つけてしまいました

  

  よくあるUSB/Serialコンバーターとは一線を画す形状の製品ですが、機

  能としては同じ働きをするものです。(RATOCのREX-USB60F)

  回路部分がスケルトン構造ではありませんので、それなりの期待を込め

  て購入したのですが、これがアタリでした。

  放射されるノイズレベルが、各社のコンバーターとは全く違います。

  

  さらには....

  あの、シリアルポートと相性があるRTCLが、正常に働いたのです。

  今までの事が、何もなかったかのように....。

    

  大幅なバージョンアップの後、動作が不安定になったRTCL。これからも

  使い続けたかったので始まったCI-Vとの格闘。

  時間と手間と多少の出費がかかりましたが、何とかRTTTYコンテストの

  SO2R運用が安定して行えるようになるとともに、PCの周辺機器から放射

  されるノイズやRFの廻り込みも減少し、一石二鳥の「問題解決」となり

  ました。

      

  

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