IC-PW1 故障の修理


  先日、RTTY運用時に「PA部のバランスが崩れたゾ....」とアラームが表示さ

  れるとともに、「出力」じゃなく筐体内で「火」が出る故障に遭遇しました。

  

  まず、餅を焼いているような香ばしい匂いで「いや〜な予感」が....。

  そして、出力低下〜アラーム表示〜筐体内部で炎を発見....と続きます。

  

  基板上の抵抗か何かに大電流が流れて焼ける電気火災なので通電を停止すれ

  ば良いのですが、RTTYの定型文を送っている最中でしたので、あわてずに、

  しばし....の間は静観。

  きょうびの機器は電源スイッチがソフト制御の「リモコン・ソフト・スイッ

  チ」なので、その後、STBY状態に戻らなければ電源主幹を切るつもりでした。

  しかし制御系は生きていたので受信状態に戻ると共に、無事、鎮火しました。

  

  これ、大袈裟に言うと「火災」です。

  まぁ、怖いですねー、驚きですねー、煙いですねー。(淀川長治ふうに、Hi)

  

  でも、無線機器に限らずテレビでもラジオでも、真空管機器の時代にはヨク

  あったタイプの故障です。

  PCB入りの「ケミコン・クラッカー」をパーンと鳴らして紙くずを撒き散ら

  したり、数ワットの抵抗をじわじわ....と燃やした経験のある方なら、泡を

  喰ってパニックになったりしないものですよね。

  

  ☆故障の直後

   

  故障箇所を特定し部品を交換する事も考えましたが、メーカーへ送り、つい

  でに定期点検を実施してもらうのには良い機会かも知れません。

  そこで、メーカーに修理を依頼することにしました。

  

  しかし、この重いリニアを修理に出すのが一苦労。

  IBMのPCのようにクーリエ・サービスがあれば「楽ちん」なんですが、ICOM

  を始め無線機メーカーには、そういう制度は無いようです。

  IC-7800のような「超弩級」のトランシーバーを発売されるのは良いのです

  が、何年保証とかを謳うよりも「故障時の対応」を充実させてもらいたいも

  のですね。

  「オンサイト」サービスまでは期待しませんが、せめて営業マンがライトバ

  ンで取りに来てくれる態勢をとってくれると助かります。

  

  もし、そういうサービス態勢ができれば私も7800を買うのですが....。

  

  ぶつくさ言っていても仕方が無いので、エイヤッと力を出して、日本橋まで

  リニア・アンプを運搬することにしました。

  

  ☆修理完了。交換された部品など。

   

  実は、日本橋より我が家に近い「某メーカーの本社・営業所」。

  と言うことで、平日の某月某日、仕事を休んで加美へ修理品を受け取りに出

  かけました。

  長いこと無線ゴッコをやっていると、メジャーな無線機メーカーの営業所の

  場所や雰囲気は、知らず知らずのうちに押さえているものです。

  このメーカーの大阪営業所は何度か移転したようですが、現在の営業窓口は、

  かつての「本社・工場」だった建物ですかね。

  両国の東京サービスも同じでしたが、余計な飾り気が微塵もありません。Hi

  映画「寅さん」の「たこ社長」が出てきそうな雰囲気もありますが、皆さん

  が作業着を着ているところは「ソニーやホンダの本社」と同じで、町工場あ

  がりの会社が持つ伝統なのでしょう。

  大阪営業所が入っている古い建物の前には、近年新築した白亜の殿堂の「本

  社ビル」が聳え立っていますが、この立派なビルの償却に私も一役買ってい

  るワケでしょうか。Hi

  

  そういえば対照的に「スッテッテコ・トリオ♪」の時報告知CMで有名だった

  「春日無線」の東京営業所は、垢抜けした素敵なオフィスと背が高い綺麗な

  OLさんの姿が印象に残っています。さすがは音響メーカーですね。

  まぁ、背が高い....と言うことはガタイが良い....と言う事でもあり、深田

  恭子のように足のサイズが27Cmぐらいなのかも知れません。

  そんな「大きなお姉さん」達の窓口対応は素敵なものでしたが、カウンター

  の上に置かれたTS-950を軽々と移動させたり、クソ重いオーディオアンプを

  満載した台車を片手で取り回したりしているバックヤードの「雄姿」を見せ

  られると、素敵....を通り越して、ただ「感動」してしまいましたが。Hi

  

  さてさて、本題のIC-PW1。

  案の定、燃えたのは抵抗1個ダケであったようですが、MRF-150が連鎖倒産と

  なり、その被害は甚大です。

  生きているFETもあるのでしょうが、修理マニュアルではペアのFETを交換す

  ることになっているのでしょう。

  カセットテープのように見えるケースに入ったMRF-150の位牌を見ながら、

  しばし落胆したワタクシであります。

  ちなみに修理代は40k円でした。

  

  ☆帰ってきたウルトラ何とか....じゃなく、リニア・アンプ。

   

  まぁ、予定外の出費でしたが、法定検査の代わりの定期点検だと思って納得

  することにしましょう。

  

  さて、こんなリニア・アンプを素人の人が見ると「大型の電波発生器」に見

  えるかも知れませんが、どこの家庭の台所にもある「電子レンジ」に比べる

  と可愛い素人無線のオモチャでしかありません。

  フル・パワーでアフリカやカリブ海と交信している時にも、わがアンテナに

  とまったカラスは気楽に「カ〜・カ〜」と鳴いており、焼き鳥になって落ち

  て来ることはありません。

  しかし、どこにでもある電子レンジにカラスを入れて5秒も「チン」したら、

  取り返しのつかない惨劇となるでしょう。

  

  理論も知らずに電波を毛嫌いする素人の人も居るようですが、そういう人は

  直ちに携帯電話の使用を止め、家庭から電子レンジを追放してみたら、かな

  り幸せな人生を送れるんじゃないかと思います。

  

 ☆お約束の修理明細。

     

  想定される故障の原因が、いろいろ書かれています。

  そんな、故障〜発火の問題よりも、クソ重いリニアを日本橋に運んだり、加

  美に受け取りに行ったりした「労力」の方が、遥かに大きな大きな問題であ

  りましたが。

  

  さて、このIC-PW1。

  コストとの兼ね合いもありますが、全体的にみて、保護回路の構成が不足し

  ているようにも思えます....。

  有資格者が使う機器なので、それでも良いのかも知れませんが、故障した際

  の「力仕事」を考えると、悩ましいところですね。

  

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壊れかけのラジヲ