☆受信性能の対策(その4)


  IC-726のように、1段しかフィルターが入ってないような普及品のトラ

  ンシーバーは、受信選択度を優先させるため、「比較的、帯域の狭い」

  SSBフィルターが装着されています。

  ですから、送信音も狭帯域の「硬目」となり、個性の無い音質になりが

  ちですが....。

  

  まぁ、それにしても、SSBだけでは無く、AMやFMも受信音質が悪いです。

  ラジオのAM放送を聞ける音ではありません。

  フィルターの帯域だけの問題では無さそうですので、とりあえずSSBの

  総合受信特性をFFTスペアナ(もどき)で調べてみました。

  

  ☆結果は、こんな極端なハイ落ちでした。(3kHz以下の傾斜が!)

  

  

  ☆周波数(横軸)をLog表示すると、↓こうなります。

  

  高域をワザと落としてある「音造り」が、されていますね。

  電話通信において、音質を求めない場合は、高域をロールオフしてしま

  うと耳障りなノイズを抑える効果があり、了解度を上げる事になります。

  また、9MHzのIF段にしかフィルターが入っていない普及機の場合は、混

  信軽減にも効果があることでしょう。

  

  まぁ、高域が素直になって何か問題が出たら、外付けのフィルターやイ

  コライザーを付加する事とし、単体での音質改善に着手することにしま

  しょう。

  

  まず、回路図を眺めるとSSB・CW/AM/FMの各検波器出力にCR型ローパス

  フィルターが挿入されていますので、これを除去します。

  

  ☆SSB・CW検波器の出力は、このあたり。

  

  アッテネーターとローパスがCR回路で構成されていますが、C125および、

  回路図には載っていないC322を除去します。

  これで、3kHz近辺では6dB程度改善されましたが、まだまだです。

  

  次は、AF段バッファアンプです。

  ここも、CR型のローパスフィルターが構成されていますので、コンデン

  サーの値を加減します。

  

  ☆信号をピックアップしているあたりが、AFバッファ・アンプ。    

  

  C224、297、300の値を小さくしました。

  

  ☆以上の結果の特性です。

  

  如何ですか?、3kHzまでスカッと伸びたでしょう。

  通常の局のSSB信号は、高域成分がそれほどありませんので、その差が

  顕著ではありませんが、帯域が広いSSB信号を送信している局を受信し

  た場合は「聞こえ方が違います」。

  

  一方、AMモードでラジオ放送を受信してみると、ナカナカの音になりま

  した。

  夜間、ダイヤルを回していると、1400kHzあたりで「ド演歌」の低音が

  響いて来ますが、高域あってこその低域ですね。

  もちろん、ラジオ放送はプリエンファシスを実施していますので、AM検

  波器出力のローパスは完全に除去せずに、ディエンファシスとなるよう

  に、値を加減しているところです。

  NHKのように信号強度の強い放送はS/Nも良いのですが、音質改善した後

  は「AKからの全中と、BKローカルの音質の差」が聞き取れる様になりま

  した。

  

  さて、SSBの総合受信特性は3kHz以上に「段」が出現していますが、目

  的信号の第二高調波の問題です。

  しかし、目的信号と40dBも差がありますので、私は気になりませんが、

  どんなもんでしょうかネ。

    

  ☆IC-756PRO2の特性。(選択度3.6kHzのSSB)

  

  流石、DSPでのフィルタリング・検波は、素晴らしい特性を示します。

  

  さぁ、次のオモチャは....、コレ。

  

  ☆単なる、「まともなコンデンサ・マイク」

  

            

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