SASEの具


  SASEとは、「self‐addressed stamped envelope」すなわち「あて名を書いた

  切手つき返信用封筒」の略です。

  外国の局と交信したあと、相手のQSLカードを確実に入手するためには、自分

  の住所と名前を書いたSASEを送る必要があります。

  しかし、諸外国の切手を用意するのは大変ですね。

  

  そこで、国際返信切手券(IRC: International Reply Coupon)を使用するので

  すが、ここ10年ほどで、そのデザインがコロコロと変わりました。

  箪笥の肥やしとなり、使わずに手元に残っていたものを見てみましょう。

  

  なお、国際返信切手券については、以下のURLに説明があります。

  http://www.post.japanpost.jp/int/service/int_coupon.html

  

  ☆比較的長く使われたIRC(国際返信切手券)のデザイン。

   

  1990年代の末期は、こんなデザインでした。

  長らく改訂版が出なかった「何とかハンドブック....」てな本に「みほん」と

  して掲載されていたデザインもこのタイプだったと思いますので、世界中で長

  い期間使用されたと思われます。

  

  この頃は、転勤から開放され大阪に戻った頃でした。

  新御堂沿いのアパートのベランダから「釣竿」を振り出してHFで遊び始めたの

  ですが、ちょいとした工夫(理論を捻じ曲げない方法)でアッサリとDXハントが

  出来ることに気づきました。

  その結果、IRCを買い始めるハメになったのです。

  

  ☆2002年にデザイン、サイズ、有効期限、偽造対策が変更。

   

  デザインが変わると共に、日本のハガキぐらいの大きさになりました。

  偽造対策だと思われる「すかしモドキ」が採用されています。

  もっとも大きな変更点は、初めて「有効期限」が定められたということ。

  このタイプは2006年12月31日までの期間限定となります。

  

  このタイプが使用され始めた頃に転居しました。

  戸建ての家にタワーを建て、kW出力の免許を取得しましたので、かなりの枚

  数を購入して、世界中にバラ撒いたものです。

  まぁ、撒き餌にしかならなかった....のも少なくありませんが。Hi

  

  ☆次の世代は、さらに偽造対策がすすむ。

   

  偽造対策のホログラムが追加されました。

  まぁ、これ1枚で1US$以上の値打ちがあるのですから、世界のどこかで偽造さ

  れていても不思議はありません。

  ただし、単価が低いから効率が悪いので、US$の偽札を作っていると噂される

  北の某国でも作っていないと思われますが....。

  そういえば、その北の某国の隣にある某国では、阪神高速道路の回数券やプリ

  ペイド・カードが偽造されていたりして、ちょっとした騒ぎになりましたね。

  なお、このタイプは2009年12月31日までの期間限定でした。

  

  このタイプが流通している頃の後半は、円高傾向が強くなりましたので、後述

  の「Green Stamp」の使用頻度が上昇しました。

  従来はIRCよりもGSの方が「世界で幅広く流通」していたものです。

  しかし、世界ではUS$の地位が低下し、GSよりもIRCの方が幅を効かせるように

  なりつつあります。

  

  昔は、世界の政治の動きを肌で感じられる「アマチュア無線」でしたが、今は

  US$の地位低下を肌で感じております。Hi

  

  ☆予定通り、またデザインが変わる。

   

  先日、わざわざ大阪中央郵便局に出向いて仕入れてきました。

  以前の郵便局だと、小さな無集配局でもIRCの在庫を持っていましたし、集配

  局では時間外窓口で販売していましたが、最近はサービスが低下したようです。

  今でも時間外窓口に「あらゆる切手・印紙類を販売しています....」って掲示

  がそのままあるのは頂けませんねぇ。

  

  さて、今回のタイプから日本で販売されているものに「日の丸」が入りました。

  ただいま「K4M」(ミッドウェー)のぺディションが行なわれており、そのSASE

  で使用しようかな....と思ったのですが、ミッドウェーという場所柄、「日の

  丸」の使用には、何かしら「ためらう」ものも感じられます。

  

  ☆こちらは(円高だし)ためらう必要なし。

   

  切手の代わりとして使用されるものに、通称「Green Stamp」というものがあ

  ります。

  世界中で通用すると言われたUS$紙幣が「緑色」なので「緑色の切手(代用品)」

  と言う意味で、通称「GS: Green Stamp」と言われるものがコレです。

  

  昔は、1US$=360JPYでしたが、今では1/4の1US$=90JPYとなりました。

  そんな円高を背景に、SASEの具としてUS$を使用しようと目論んだのですが、

  21世紀では、そうは問屋がおろしません。

  現代の欧州では、1IRC=3US$の価値となり、もはやGSは歓迎されなくなってい

  ます。

  欧州に限らず、世界的にUS$の信用度が相対的に低下してきているのです。

  

  その昔、ホーネットから離陸した艦上攻撃機が投下した1発の爆弾で赤城や加

  賀などが海の藻屑となりましたが、今は、ニューヨークから離陸する米国銘柄

  債権が投下する1発の信用不安で世界中の経済が混乱する時代となりました。

  

  そんな手法を繰り返し、自国の経済状況を改善するためのツケを外国に廻して

  いたら、いずれ、このGSも「子供のおもちゃ」の値打ちでしかなくなるのかも

  知れませんねぇ。

  北の某国の人たちも、もうUS$札を偽造している場合じゃ無いですよ。Hi

  

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